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資産除去債務

弊社では、資産除去債務の対象となる土壌の汚染調査、アスベストの分析、PCBの分析のすべてについて豊富な経験と実績があります。 さらに、資産除去債務に関わるコンサルティング業務に関しましても、帝人グループのエンジニアリング系5社と連携して適切な分析・調査から施工にいたるまでの一貫したコンサルティングが可能です。

資産除去債務とは

資産除去債務とは...

平成20年3月31日 企業会計基準委員会から企業会計基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第21号「資産除去債務に関する会計基準の適用指針」が公表されました。
なお、「資産除去債務」とは、「有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令または契約で要求される法律上の義務およびそれに準ずるものをいいます。この場合の法律上の義務およびそれに準ずるものには、有形固定資産を除去する義務のほか、有形固定資産を除去そのものは義務でなくとも、有形固定資産を除去する際に当該有形固定資産に使用されている有害物質等を法律等の要求による特別の方法で除去する義務も含まれます。なお、有形固定資産の「除去」とは、有形固定資産を用役提供から除外することをいいます。(一時的に除外する場合を除く)。」と定義されています。
資産除去債務の計上義務が生じる企業の範囲は上の枠内に記載したとおりであり、また、平成22年4月1日以降に開始する事業年度からこれら対象企業(上場企業等)に適用されます。
 資産除去債務と環境分野の分析・調査と関わりがないように思えるかも知れませんが、過去の負の遺産として有害化学物質による土壌汚染や、アスベストを使用した建造物、PCBを含有した電気製品(廃家電等も含む)を所有している事業者は、いずれも土壌調査・原状回復、アスベスト除去、PCBを含有する機器等を適切に撤去処分する必要があり、そのためにこれらの有害物質を含まない場合と比較して"撤去処分費用"が余分に発生します。これらの調査や撤去処分は、それぞれ該当する法令で定められているものであり、撤去処分を実施せずにすませることはできません。また、撤去処分に先立ちこれら有害物質の含有の有無の調査に要する費用、撤去時のモニタリングに要する費用など調査費用も必要です。建物を解体する際や土地を改変する際などで法令上生じる義務にかかる費用、または契約条件等により、土地の売却の予定がある場合の土壌汚染の調査・浄化費用や原状回復義務に基づき実施する解体にかかる費用等がこの資産除去債務として取り扱われることとなります。
2010年夏現在、わが国の国内法において上記定義おける法令上要求される義務としては、石綿障害予防規則等で規定されているアスベスト建材の除去や、PCB特別措置法で規定されているPCBの適切な処理、さらに土壌汚染対策法で規定されている特定施設廃止時の調査などがあげられます。これらの義務が将来的に発生する場合には、当該義務に対して発生する費用、つまり土壌汚染にかかる調査対策費用、アスベストやPCBの撤去処分費用を資産除去債務として、事前に負債計上する必要がでてきます。

土壌汚染調査・アスベスト調査・PCB分析

弊社の土壌汚染調査・アスベスト調査・PCB分析について、精度の高い結果を迅速かつ低廉な分析料金にてお届けいたします。分析の詳細につきましては、本ホームページのそれぞれの該当ページをご参照お願いいたします。
また、エンジンアリング系の帝人グループ5社が連携して、設備施工や分析のノウハウを持ち寄り、グループ会社一貫で、土壌汚染調査及びコンサルティング・アスベスト調査、PCB分析に取り組んでおります。

土壌汚染調査と資産除去債務

(1) 概要
土壌汚染により、所有している不動産の価値を大きく減少させた例は多くあります。土壌汚染による不動産価値の減少は、資産評価に反映させる必要があります。そのため、土壌汚染の有無の恐れを推定するいわゆる資料等調査は必要と考えられます。
資料等調査で土壌汚染の可能性が考えられるときは概況調査を実施し、そこで汚染が発見された場合は詳細調査の実施が必要になります。
帝人エコ・サイエンス(株)は、環境省の指定調査機関です。

指定調査機関とは
指定調査機関
TESは環境省の指定調査機関です。
指定調査機関とは、手続き根拠法に基づいて特定の調査等を行うに当たって、適切な調査等を行うことができる機関として法に基づき指定される。 土壌汚染対策法(2002)第3条又は第4条に基づく調査を行う場合には、環境大臣の指定する者に調査をさせなければならない。この場合の環境大臣の指定する者を指定調査機関という。
指定調査機関の指定の基準は、土壌汚染状況調査の業務を適確かつ円滑に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有し、同調査の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること等となっている。
EICネット環境用語集より

(2)資料等調査
土壌汚染調査の第一段階である土壌汚染状況調査は資料等調査からスタートし、この調査結果を基にして調査対象地全域を土壌汚染の存在する恐れが無いと認められる土地、存在する恐れが少ないと認められる土地、存在する恐れがあると認められる土地の三つに区分します。そして、それぞれの区分に応じた試料採取を伴う調査に進みます。したがって、土壌汚染調査を適確にかつ効率的に行う上で資料等調査は非常に重要です。
 登記簿、航空写真、住宅地図、古地図等により汚染の可能性を調査する。また、現地踏査とヒアリング調査(現地、近隣)、行政(自治体)対応も弊社にお任せください。

(3)概況調査
重金属の汚染を例にした場合を以下に述べます。対象地概況調査では、対象地における土壌・地下水の概況を把握するため、表層土壌の汚染状況について、また、既設井戸がある場合には地下水の汚染状況について調査を行います。
土壌・地下水の試料の測定は、それぞれ土壌環境基準及び地下水環境基準の公定法によります。
ただし、引き続き対象地詳細調査を行う予定があり、汚染源である範囲を絞り込むことを目的とする場合には、試料の測定方法として適当な簡易測定法を用いても差し支えない。この場合、汚染の評価は相対的なものとなります。また、対象地資料等調査の結果からみて明らかに汚染のおそれのない物質は、試料の測定の対象項目から除外してもよいです。なお、揮発性有機化合物によう汚染の場合は、重金属の例と異なります。

(4)詳細調査
重金属の汚染を例にした場合を以下に述べます。対象地詳細調査では、対象地概況調査により土壌の表層で汚染が判明した範囲(簡易測定の結果相対的に高濃度であることが判明した場合を含む。)及び対象物質が浸透したおそれのある範囲等において、ボーリング調査を行い、土壌(地下水が採水できる場合には地下水を含む。)について深度別に試料を採取・測定し、汚染の状況を詳細に把握します。その結果から、対策をとるべき土壌・地下水の範囲を設定します。この場合、土壌及び地下水の試料の測定は公定法によります。
ただし、あらかじめ対策をとるべき範囲を絞り込む場合には、試料の測定方法として適当な簡易測定法を用いてもよいです。この場合、汚染の評価は相対的なものとなります。
対策をとるべき土壌・地下水の範囲は、土壌環境基準及び地下水環境基準に適合しない土壌及び地下水とします。また、土壌について環境基準に適合していても土壌の飛散及び流出防止等の観点から必要に応じて対策を講じようとする場合には、含有量測定結果を含有量参考値に基づき評価します。なお、揮発性有機化合物によう汚染の場合は、重金属の例と異なります。

(5)浄化対策等の費用算出
土壌汚染の浄化に必要な費用の概算は、汚染平面範囲、汚染深度、浄化単価から計算できます。
なお、浄化の方法にも各種の手法があります。

汚染平面範囲×汚染深度×浄化単価=土壌汚染概算浄化費用

アスベスト調査と資産除去債務

解体・除去時のアスベスト含有建材の撤去・処理費用と解体工事費用を算出するため、アスベスト建材の有無とその使用量(面積・体積)などを調査が必要です。
なお、吹きつけアスベストの除去費用概算値は国土交通省のHPに記載されています。

参考
吹付けアスベストの除去費用については国土交通省の下記のアドレスに参考記事があります。
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/01/010425_4_.html

上記の除去費用関連情報の一部を以下に引用します。

石綿(アスベスト)除去に関する費用について
平成20年4月25日
「石綿(アスベスト)除去に関する費用について」は、これまで平成17年8月26日及び平成18年3月31日に公表しているところですが、このたび、社団法人建築業協会から、別添のとおり直近の吹付アスベストの除去費用に関する情報を収集しましたので公表いたします。
今回の情報は、平成19年1月から12月までの1年間の施工実績195件を社団法人建築業協会が集計分析した調査結果です。およその処理費用の目安としては、
アスベスト処理面積   300㎡以下   : 2.0万円/㎡ ~ 8.5万円/㎡
300㎡~1,000㎡: 1.5万円/㎡ ~ 4.5万円/㎡
1,000㎡以上  : 1.0万円/㎡ ~ 3.0万円/㎡
となっています。
また、上記費用目安の算定における基礎資料として、今回を含むこれまでの調査における施工実績データの処理費用単価の分布について、グラフ化したものを添付いたします。
吹付アスベスト除去工事の費用見積時のご参考にして頂ければ幸いです。
(備考)上記費用目安については、施工実績データの費用単価分布から処理件数上下15%を除いたものであり、施行条件によってはこの値を大きく上回ったり下回ったりする場合がありえます。あくまで目安値としてお考え下さい。

PCB分析と資産除去債務

(1)PCB汚染電気製品
2001年にPCB特別措置法が施行され、2016年7月までにPCBを含むトランス、コンデンサなどの処分をPCB含有する機器を所有する事業者が実施する必要があります。
そのため、PCBを含んだトランス、コンデンサなどの量(重量)を調査し処分に必要な費用を算出しなければなりません。2010年に環境省から絶縁油中の微量PCBのマニュアルが公表されました。環境省等の資料によると微量PCBを含むかどうかの検査(分析)が必要な重電機器が約650万台(うち120万台がPCB汚染機器と推定)といわれています。また、別集計では新油使用の柱上トランス(約790万台)のうち約40万台がPCB汚染機器と推定されています。なお、高濃度PCB汚染の電気機器は約34万台といわれています。その他OFケーブル〔OF(Oil Filled)ケーブル(絶縁油を用いた地中送電線:1400km)〕にもPCBが使用されています。

(2)PCB汚染の有無の調査
事業所で使用・保管しているトランス、コンデンサ等にPCBを含有しているかどうかを判定し、含有が確認されたときはPCB処分費用を保管事業者は、資産除去債務に計上しなければなりません。
なお、PCBに関しては PCB特措法第3条により保管事業者が処理の責務を負うこととされています。既に、PCB特別措置法に従って使用、保管しているトランス、コンデンサ等については、既に自治体等への法的な手続き(届出)を行っていると思いますが、使用・保管している機器について、概ね次の順序でPCB含有の有無を調査します。

1)分別作業
メーカ-および製造年を照会しPCBを含有しているかを判定します。この目的ではトランス等では銘板、型式番号からメーカー、製造年を探し出しメーカーに問い合わせます。メーカーではインターネット等でPCB含有の有無を公開しています。銘板、型式番号がない場合、汚損していて判読不能の場合、あるいはメーカーに問い合わせてもメーカー自体がPCB含有の有無を把握していない場合もあります。このとき場合は、PCB含有の有無の分析する必要があります。
1.高濃度PCBか低濃度PCB化の判別については
製造メーカーの業界団体である日本電機工業会の情報をまとめたものが、JESCOのホームページの掲載されています。「処理委託に関する資料・様式のご案内」の中に『PCB使用機器判別表』から、機器に付いている銘板があれば、型式、表記からPCB使用機器かどうかの判別が可能です。なお、銘板の情報から、製造メーカーにお問い合わせいただくこともできます。
2.安定器のPCB判別につきましては、(社)日本照明器具工業会のホームページをご覧ください。

PCB含有機器を現在使用中のとき
PCB廃棄物は平成28年7月14日までに処理完了する義務がありますので、期間内に処理できるよう交換し適正処理してください。(PCBを使用していても電気機器は寿命があります。使えなくなった時点で廃棄物となります。)但し、自家処理でなく処理を委託される場合、JESCOの受託処理事業は平成27年3月31日までですので、申し込みは遅くとも平成26年12月までに行って処理不能にならないようご注意ください。(JESCOの質問集から引用)

2)都道府県に届出のPCB廃棄物があれば、処分費用が資産除去債務として計上できます。

3)PCB含有か不含か、メーカーに問い合わせても不明な場合(メーカーが倒産して情報入手不可も含む)は、分析により、PCBの有無を判断(基準:5ppmを超えるか否か)します。この場合の分析方法は、2010年7月1日以降は、微量PCBの測定は平成4年厚生省告示192号別表第2に定める方法または平成22年6月30日環境省のPCB簡易測定法マニュアル第2版のいずれかによる。日本電気協会分析方法規定 JEAC 1201 1.1準拠(ガスクロマトグラフ法(ECD))による分析方法は除かれました。(環境省産業廃棄物課長通知(環廃産発第100125001号))

【参考】絶縁油中のPCB分析と環境計量証明事業、分析料金の補助制度
絶縁油は大気、水質、土壌、底質のいずれにも相当しないので、環境計量証明事業の計量証明の範囲外です。また、環境計量証明事業機関以外で分析することも法的には可能です。
 ただし、平成21~23年にグリーンニューディール基金により各自治体が絶縁油中のPCB分析を依頼する事業者に対して補助金を交付(事業者に条件があります)していますが、この場合、分析機関は環境計量証明事業者であることが補助金を受給できる条件です。補助の条件(範囲、金額等)は各自治体によって異なりますので、それぞれ担当窓口にお問い合わせください。

(3)PCB汚染機器の仕分けと処理依頼先
高濃度PCB含有の機器についてはJESCOで処理しますのでJESCOにお問い合わせください。微量PCB含有機器についてはJESCO以外の施設で処理します。微量PCBの処理施設は2010年秋現在、きわめて限定された施設しかありません。しばらくは事業所で従来どおりの管理下で保管することになります。

PCB処理料金の補助制度
中小企業者等の方々の処理料金の70%を軽減する制度があります。下記をご参照ください。
http://www.jesconet.co.jp/customer/discount_03.html

PCBの処理方法
高濃度PCB含有する機器及び油等は全国5箇所あるJESCOの処理施設で処理されます。PCBを含有していない機器はJESCOでは引き受けません。〔【参考】JESCOではPCB廃棄物以外(性状不明を含む)の廃棄物の処分はできません。(廃棄物処理法の処理委託基準に、廃棄物の性状を処理委託先に予め書面で通知することが定められておりますので、性状不明の処理委託ができないこととなっています。また、JESCOはPCB廃棄物の処分業の許可しかありませんので、処分委託契約前にPCB廃棄物であることを確認の上処理受託の契約をさせていただくことになります。)〕
低濃度PCBについては産業廃棄物焼却炉における実証実験を行い安全性等の確認を行っています。無害化処理は産業廃棄物焼却炉で行いますので、JESCOの施設での処理は行いません。〔【参考】通達以降の年代に製造された一般産業用変圧器等の一部からごく微量のPCBが検出されました。これが微量PCB汚染廃電気機器です。このように非意図的にPCBが混入されたものについては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、JESCO以外での無害化処理認定施設での処理が平成21年11月より可能になりました。〕
インターネット参照
http://www.jesconet.co.jp/customer/discount_01.html
【コラム】PCB簡易測定法マニュアル第2版と帝人エコ・サイエンス(株)
環境省のマニュアルの簡易定量法と迅速判定法のいずれにも掲載されているイムノセンサー法(簡易定量法として生物化学的な原理に基づく方法としては唯一認定されている) のマニュアルに記載されている"精度管理用の抗体"(特許生物寄託センター受託番号FERMP-17099 で寄託されたハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体)(特許JP3969878)は、帝人エコ・サイエンスが特許を持っている抗体です。
帝人エコ・サイエンス株式会社に関するお問い合わせはこちら
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