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TEMによるアスベスト測定

この度、当社は極微量のアスベストの有無が判定できる 「透過電子顕微鏡(TEM)におるアスベスト測定技術」を確立いたしました。

現在、TEM法はSAED(制限視野電子回折)による結晶構造の把握、EDS(エネルギー分散型X線分析)による元素組成の把握が可能であることから、アスベスト(石綿)廃棄物の無害化処理を確認する唯一の方法とされています。 環境省のアスベスト無害化認定を受けるためにはTEM法による分析データが必要です。
また、TEM法は大気中アスベスト調査においても、繊維状粒子の種類まで同定でき、感度及び選択性にすぐれていることから有効な測定方法とされています。アスベストモニタリングマニュアル(第4版)では、総繊維数が1f/Lを超えた場合、電子顕微鏡(TEMあるいはSEM)で分析することが決められています。
飲料水中、建材等の製品中、土壌中のアスベストもTEM法により分析することが可能です。

TEMとは

透過電子顕微鏡はTransmission Electron Microscopeを略しTEMと呼ばれています。 TEMは電子銃、照射系、結像系、観察室から構成され、光より波長の短い電子線を使用しており光学顕微鏡の分解能(小さい物を見る能力)が約100nmに対しTEMは顕微鏡の中でももっとも高い0.2nmもの分解能を持っています。 TEMは薄膜した試料に電子線を照射し透過することにより電子像や電子線回折像を得ることができ、微小部の元素分析や試料が非結晶か結晶質であるか、どのような結晶構造なのかなどを調べることが可能です。

TEMによるアスベスト判定

アスベスト分析方法の比較

分散染色法+X線回折法 ◎ 迅速に分析結果が得られる
◎ 分析費用が安価
□ 単繊維の検出ができない
□ 重量濃度で0.1%以下は検出できない
偏光顕微鏡法 ◎ 迅速に分析結果が得られる
◎ 分析費用が安価
◎ 分散染色法より精度は高い
□ 単繊維の検出ができない
SEM法(走査電子顕微鏡法) ◎ 形態+EDSによる判定
◎ 繊維1本でも分析ができる
□ 形態観察では表面のみ
TEM法(透過電子顕微鏡法) ◎ 形態+EDS+EDによる判定
◎ 繊維1本でも分析ができる
◎ クリソタイルの管状構造も観察できる※
□ 高価な装置と高度な技術が必要

◎ 長所  □ 短所    ※ クリソタイルは管状構造を持ち、特徴のある電子回折パターンを示します。

TEMによるアスベスト分析方法

アスベスト無害化処理物 石綿含有一般廃棄物等の無害化処理等に係る石綿の検定方法
環境大気 アスベストモニタリングマニュアル
作業環境(解体現場) アスベストモニタリングマニュアル

クリソタイルの超音波分散(分散染色法)

クリソタイルを超音波分散すると束の繊維が短繊維になり、分散染色法では繊維を確認できなくなります。

アスベストは短繊維になるとJIS法(分散染色法)では観察できませんが、TEMでは観察することができます。

繊維塊と繊維束(分散染色)


中皮種を発生させる細い繊維はPCM(分散染色法)では確認できません。

アスベスト繊維のサイズと疾病

参考資料

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