アスベスト調査
日本作業環境測定協会認定分析技術者による分析を実施
アスベストの測定は、分析者の技量に依存する部分が多い試験です。弊社では日本作業環境測定協会の精度管理センターが実施している石綿分析技術の評価事業(石綿分析に係るクロスチェック事業)及び同事業による「認定分析技術者」が試験を担当し、測定結果の信頼性を保証しております。弊社には建材、気中ともAランクの技術者を配置しています。是非、ご用命下さいますようお願いいたします。
アスベスト診断士による診断
また、日本石綿協会のアスベスト診断士も2名おりますので、設計図書からアスベストの有無の判断も行えます。
電子顕微鏡(TEM及びSEM)にも対応可能
なお、透過型電子顕微鏡(TEM)によるアスベスト分析については、本ホームページのアスベストTEM分析をご参照下さい。アスベストモニタリングマニュアル(第4版)による気中アスベストの走査型電子顕微鏡(SEM)分析については本項をご覧ください。
アスベストとは
アスベストとは...
「アスベスト」とは、天然に産出する繊維状鉱物の総称で、ILO(国際労働機関)等の国際機関では、蛇紋岩系のクリソタイル(白石綿)1種類と角閃石系のアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)など5種類の合計6種類の鉱物を指します。木綿や羊毛に似たしなやかさがあることから、「石綿(いしわた、せきめん)」とも呼ばれ、その特性から建築資材を中心に幅広く使用されてきました。
なお、アスベストはギリシャ語「asbestos」に由来しており、「永久不滅」や「純潔」を意味します。
石綿 | 分類 |
石綿名 |
備考 |
---|---|---|---|
蛇紋石系 | クリソタイル(白石綿) | 労働安全衛生法に基づき製造・輸入等禁止 | |
角閃石系 | クロシドライト(青石綿) | 労働安全衛生法に基づき製造・輸入等禁止 | |
アモサイト(茶石綿) | |||
アンソフィライト | 他の石綿の鉱床中に不純物として含まれる 日本国内の産業界で使用されていない 建材等の製品については労働安全衛生法に基づき製造・輸入等禁止 |
||
トレモライト | |||
アクチノライト |
アスベストとヒトの健康被害の関係
アスベストとヒトの健康被害の関係...
アスベストの繊維を吸い込むと、肺がんや中皮腫などの病気を発症する恐れがあると言われています。肺がんは石綿の曝露に加えて喫煙習慣の有無などとも関連しますが、中皮腫は石綿との関連が非常に高いと言われている肺の病気です。呼吸の吸入による肺への影響が問題で、飲用水中のアスベストについての健康影響についての報告がないことから、飲用水中のアスベストは、現時点では安全と考えて良いようです。なお、アスベストの吸入から中皮腫の発症までの潜伏期間は一般の肺がんより長く20~40年間と言われています。アスベストを取り扱う人の健康診断記録の保管期間を長く設定しているのも中皮腫の潜伏期間が長いことによります。
アスベストの分析方法
アスベストの分析方法...
建材及び固形物中のアスベスト分析
建材中のアスベスト分析については、JIS法※1 にしたがって分析することが定められています。なお、天然鉱物中のアスベストの場合は、JIS法によらず、天然鉱物中の石綿分析方法として別途、基安化発第0828001 号(平成18年8月28日)で実施することに決められています。
ここには、
1、タルク中の石綿含有率の分析方法、
2 セピオライト中の石綿含有率の分析方法、
3 バーミキュライト中の石綿含有率の分析方法、
4 天然ブルーサイト中の石綿含有率の分析方法
の4種類の分析法が提示されています
※1JIS法
JIS A 1481-1:2014 建材製品中のアスベスト含有率測定方法―第1部:市販バルク材からの試料採取及び定性的判定方法
JIS A 1481-2:2014 建材製品中のアスベスト含有率測定方法―第2部:試料採取及びアスベスト含有の有無を判定するための定性分析方法
JIS A 1481-3:2014 建材製品中のアスベスト含有率測定方法―第3部:アスベスト含有率のX線回折定量分析方法
解体除去工事におけるアスベストモニタリング
アスベストの含有が確認された建造物の解体作業においては、法令にしたがったアスベストのモニタリングを行う必要があります。自治体ごとに条例による規制があるので、詳細は各自治体の指導にしたがって実施することになります。
一般的な、モニタリングの例を以下の表に示します。一般大気環境、室内空気、作業環境の3区分で、それぞれ、試料採取方法、判断基準等が異なっています。基本的な操作は、気中の繊維状粒子をポンプで吸引し、フィルタを通過させフィルタ上の繊維状粒子を位相差顕微鏡で計数します。試験方法では、サンプリング箇所、回数、サンプリング時間・流量などが決められています。
測定時期 |
測定名称 |
測定場所 |
測定点 |
備考 |
---|---|---|---|---|
処理作業前 | 測定1 | 処理作業室内 | 各2点又は3点 | (注)1 |
測定2 | 計2点 | 大気 | ||
処理作業中 | 測定3 | 処理作業室内 | 各2点又は3点 | (注)1 |
測定4 | 負圧・除じん装置の排出吹出し口 | 出口吹出し風速1m/sec以下の位置各2点 | - | |
測定5 | 処理作業室内 | 4方向各1点 (敷地境界) |
- | |
処理作業後 | 測定6 | 処理作業室内 | 各2点 | - |
処理作業後 シート撤去後 1週間以降 |
測定7 | 処理作業室内 | 各2点又は3点 | (注)1 |
測定8 | 計2点 | 大気 | ||
合計 | 16点~19点 |
(注)1 各施工箇所ごとの室面積が50㎡以下までは2点、300㎡以下までは3点とする。300㎡を超えるものは、監督職員と協議する。
項目/名称 |
測定3 |
測定1,2,4,6,7,8 |
測定5 |
---|---|---|---|
計数機器 | 位相差顕微鏡 | ||
メンブレンフィルタの 直径 |
25mm 実効22mm |
47mm 実効35mm |
|
試料の吸引流量 | 1L/min | 5L/min | 10L/min |
試料の吸引時間 | 5min | 120min | 240min |
試料の透明化 | アセトン-トリアセチン法又は、シュウ酸ジエチル法 | ||
計数条件 | 総アスベスト繊維数200本又は視野数50視野 | ||
計数アスベスト | 直径3µm未満、長さ5µm以上、長さと直径比3:1以上 | ||
定量限界 | 50f/L | 0.5f/L | 0.3f/L 0.2f/L 100視野 |
アスベストの分散染色画像
分析項目一覧
下記の媒体の実績があります。
● アスベスト:建材、天然鉱物、医薬品原料(タルク)、大気、室内空気
各種基準及び測定方法
● 建材など重量%で0.1%を超えない
● 環境大気中のアスベスト
・アスベストに関連する特定粉じん発生施設を設置する工場等は、「大気汚染防止法」が適用され、工場の敷地境界線で大気中のアスベスト濃度の許容限度(空気1リットル中アスベスト繊維10本(10f/L、mL換算すると0.01f/mL)が設けられています。
・アスベストモニタリングマニュアル(第4版)では、"一般環境で採取した試料について(中略)位相差顕微鏡法で総繊維数を計測し、原則として総繊維数が1f/Lを超過したものについては電子顕微鏡法により確認を行うこととし、場合によっては最初から電子顕微鏡で位相差顕微鏡法で計測できるものと同等サイズの繊維を計数することもできるように策定した。
また、位相差顕微鏡で計数した総繊維数が1f/Lを超過した場合、低温灰化を行い、有機繊維を除法してもよい。"と記載されています。
● 室内空気中のアスベスト
アスベストを製造又は取り扱っている作業場では、労働安全衛生法が適用され、作業場の管理濃度(0.15本/立方センチメートル)が設けられています。
関係法令
● 労働安全衛生法及び労働安全衛生法施行令、石綿障害予防規則、作業環境測定法、
大気汚染防止法施行規則、アスベストモニタリングマニュアル(第4版)ほか
主要設備・名称
●位相差分散染色・偏光顕微鏡(Nikon製)80i TP-DHP
●実体顕微鏡(Nikon製)SMZ445
●X線回折装置 島津製作所製XRD-6100型
走査型電子顕微鏡(SEM)法による気中アスベスト分析
アスベストモニタリングマニュアル(第4版 平成22年6月)によると、気中アスベスト濃度が1f/Lを超えると、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)によるアスベストの確認を行うように定められています。電子顕微鏡による判定方法は、SEMを使用する方法とTEMを用いる方法がモニタリングマニュアルに掲載されており、弊社ではいずれの方法も対応可能ですが、分析費用の点では走査型電子顕微鏡のほうが有利です。
業務内容 |
顧客名 |
---|---|
官庁 | ・産業総合研究所、警視庁、東京都下水道局、厚生省外郭団体、国立環境研究所 |
民間 | ・ゼネコン、コンサル |
資格・認定 |
適用・内容 |
---|---|
作業環境測定機関登録 | ・東京労働基準局 第13-25号 ・大阪労働基準局 第27-64号 ・愛媛労働基準局 第38-8号 |
作業環境測定士 | 一種取得者 : 12名 二種取得者 : 10名 |
関係法令 |
基準等 |
---|---|
大気汚染防止法 | 規制基準(敷地境界での濃度基準):10繊維/L |
労働安全衛生法(作業環境測定法) | 管理濃度:0.15繊維/cm³ |
分析方法 |
媒体 |
概要 |
---|---|---|
環境庁告示93号、作業環境測定基準 | 大気試料 | ・位相差顕微鏡(計数法) |
JIS K 3850-1 | 大気試料 | ・低温灰化→位相差顕微鏡(分散染色法) |
JIS A 1481-1,2,3 | 建材及び吹き付け材 | ・位相差顕微鏡&X線回折装置 |
参加クロスチェック |
修了書取得 |
主催 |
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石綿含有建材の石綿含有率測定に係る講義講習会 | 3名 | (社)日本作業環境測定協会 |